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デジタルマーケターがKPI設定や効果測定の際に知っておきたい数字
このページでは、BtoBマーケティングのKPI設計や施策効果測定で「あの数字、なんだっけ」となったときにすぐ確認できるよう、業界標準の目安値・調査データ・計算例をまとめています。特に「リードを獲得してからどのくらいで成果になるか」という時間軸の感覚は、KPI設定の現実度を左右するため、重点的に整理しました。
こんな時にお勧めです
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- KPIを設定するとき、数字の根拠を示したいとき
- リードの商談化・受注までの時間軸を経営陣に説明するとき
- デジタル施策(メール・コンテンツ等)の目標値を設定するとき
- 施策の効果測定で「この数字は良いのか悪いのか」を判断したいとき
マーケティング戦略を実施する上で知っておきたい数字
施策に入る前に、BtoBマーケティング全体の構造的な数字を押さえておくと、KPI設計の精度が上がります。
- 購買までのプロセスの57%が商談前に終わっている
- 獲得したリードの80%はすぐには購入しない
購買までのプロセスの57%が商談前に終わっている
CEB社の調査によると、リードが営業担当者と初めて接触する時点で、購買プロセス全体の約57%がすでに完了しているとされています。顧客は課題を認識してから、情報収集・比較検討をある程度終えた段階で初めて商談に応じます。
獲得したリードの80%はすぐには購入しない
これはKPI設計でもっとも見落とされやすい数字のひとつです。整理すると次のようになります。
- リードの即時性の欠如:資料請求などを行ったリードのうち、即座に購入に至る層はわずか20%程度とされています。
- 長期的な検討プロセス:残り80%のリードは、実際に購入を決定するまでに数ヶ月から1年以上の時間を要します。
- 放置による機会損失:「すぐ売れない」と判断して放置されたリードのうち、約60%が最終的に競合製品を選んで契約しているというデータがあります。
参考資料(HubSpot PDFレポート): 110 Sales and Marketing Statistics
この数字がKPI設計を変える
「リード獲得数を月◯件」と目標を立てても、受注に結びつかない——そういった状況の背景には、数字の解釈がずれていることが多い印象です。
前セクションで紹介した2つの数字(57%・80%)は、マーケティング活動の"時間軸"をどう捉えるかに直結します。
ナーチャリングが必要である、という共通認識をつくる
リードを獲得しても、80%は「今は買わないが、いずれ買う可能性がある」人たちです。この認識が社内で共有されていないと、「リードが増えているのになぜ受注が伸びないのか」という問いに対して、マーケターだけが答えを持て余す状況が生まれます。
80%という数字を示すことで、「今すぐ客」と「いずれ客」の存在を可視化し、ナーチャリングの仕組みが必要である、という議論の出発点をつくることができます。
また、放置された「いずれ客」の約60%が最終的に競合を選ぶというデータも、この議論を進める際の補強材料になりえます。
【関連記事】ファネル設計については、こちらも参考になれば。
現場を迷わせないBtoBファネル設計とKPIの最適解
KPI設計に「時間軸」を加える
BtoBマーケティングでは、リードを獲得してから受注に至るまで、数ヶ月から1年以上かかるケースも珍しくありません。設計の精度を上げるには、「リードを獲得してから商談化するまでの平均期間」「商談から受注までの平均期間」を自社のデータで把握しておくことが、ひとつの起点になります。
業界標準の数字はあくまで目安なので、自社の過去データと照らし合わせながら、時間軸つきのKPIツリーを組み立てていく形が現実的です。
【関連記事】KPIツリーの設計手順については、こちらもあわせて参考にしてみてください。
BtoBマーケのKPI設定・KPIツリー総合ガイド
数字を起点に、組織の動き方が変わる
私の職場では、「購買プロセスの57%が商談前に完了している」という数字は、リードをどう扱うかの認識を変えました。
獲得したリードはすでに情報収集の途中にいる、という前提に立てば、「アポが取れるまで待つ」ではなく、「適切なタイミングで適切な情報を届ける」という発想に移行しやすくなり、 この認識が定着すると、体制の見直しにもつながります。兼任で回していたマーケチームが専任化され、リード獲得後の施策に時間を使えるようになりました。また、営業側も、一度電話をかけて終わりではなく、マーケと連携しながら後追いしていく動き方に変わっていきました。
数字は「設計の根拠」として使う
「リードの80%はすぐ買わない」「購買プロセスの57%は商談前に終わっている」という2点は、BtoBマーケターが社内で共通認識を持つための土台になります。また、KPIを設計するとき、経営や営業に説明するとき、時間軸の感覚をすり合わせるときの根拠として利用できます。
数字を知っているだけでは変わりません。「自社ではどうか」を確認し、現場に合わせて使うことが、実務での活用になると整理しています。
このページは、下記の記事と合わせて読むと整理しやすい内容です。
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この記事を書いた人[ABOUT]
IT・デジタルマーケティング領域で20年以上の実務経験。現在は、デジタルマーケティングの組織浸透や業務効率化を担当しています。
「予算がない」「人が足りない」「MAツールを入れたけれど活用しきれない」「営業の協力が得られない」といった、理想通りにいかない実務の壁を数多く経験。今日も奮闘中です。
