意外とデジタルマーケティングの現場では、意外とKPIが設定されていないことが多いと感じています。 こんな方におすすめです。 データドリブンにマーケティング施策を分析・評価したい方...
KPIツリー設計ガイド|営業とマーケは共通で設計する
BtoB企業のマーケティング活動では、目標を明確にし、成果を測定することが不可欠です。この記事では、SMARTの法則やMECEの原則を活用したKPIツリー設計のポイントと、設計手順、現場での注意点を具体的に解説します。
こんな時にお勧め
- これからKPIを設計する方
- KPIがあるけど、意味がない、予算が増えない、営業の御用聞きになっている
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KPIツリー設計のポイント
KPIツリーを設計する際には、SMARTの法則とMECEの原則を意識することが重要です。この2つを活用することで、実用的かつ分かりやすいKPIツリーを構築できます。
目標設定のフレームワーク「Smartの法則」に沿って設定する
SMARTとは、KPIを設定する際の5つの要素を指します。
SMARTの法則
Specific(具体的で明確な目標): 「売上を上げる」ではなく「月間新規顧客獲得数20件」
Measurable(測定可能である): 数字で測定可能にする
Achievable(達成可能な目標である): 無理のない範囲で設定
Relevant(目的に関連している): KGIに直結しているか確認
Time-bound(期限がある): 「〇月までに」と期限を明示
例: 「リード獲得数を500件に増加させる(具体的・測定可能・期限あり)」とすることで、KPIが明確になります。
「MECEの原則」で、要素分解する
MECEは、「漏れなく、ダブりなく」目標や課題を設定するフレームワークです。
階層を整理する際、アクションやプロセスが重複しないようにしつつ、すべての要素をカバーするよう設計します。これにより、目標達成に必要な全プロセスを効率的に管理できます。
MECEとは
Mutually:互いに、相互に
Exclusive:重複せず、被らず
Collectively:まとめて、全体に
Exhaustive:漏れなく
KPIツリーの設計手順
1.KGIを設定する
KPIツリーの最上位には、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)を設定します。KGIを決める際には、営業とマーケティング双方で合意し、達成可能な現実的な数値を設定することが重要です。
2.KSFを洗い出す
次に、KGIを達成するための成功要因(KSF)を特定します。
例:「顧客との接触」「ナーチャリングメールの送信」など
2.中間目標を分解する
最終目標を達成するために必要な中間指標(中間KPI)を設定します。
例:「商談数、成約率」「リード獲得数、商談率」
3.KPIを具体化する
次に、階層ごとに適切なKPIを選定します。
マーケティング部門のKPIは、営業との連携が鍵になります。営業部門はアポイント取得からスタートしますが、インバウンドマーケティングはリードの獲得から始まります。両部門でKPIを設計するので、スタートはリードの獲得からになります。このスタート地点を営業と共有して、共通の認識を持つことが重要です。
KPIの具体例(BtoB向け)
KPI例 | 説明 |
リード獲得数(月間) | マーケティングがどれだけの新しいリードを獲得できたかを測定 |
リードから商談への転換率 | 獲得したリードがどの程度営業部門に引き渡され、商談に至ったかを評価 |
商談から受注への転換率 | 営業部門がリードをどの程度受注に結びつけられたかを測定 |
共同キャンペーンの実施回数 | 営業とマーケティングが共に取り組むキャンペーンの実施状況を評価 |
各指標の目安
指標 | 目安 |
CVR | BtoBサイトのコンバージョン率(CVR)は、一般的に1%を目指すことが適切とされています。 |
アポイント率 | 一般的に0.1%から10%の範囲とされていて、下記のような背景で開きがあります。 過去にお付き合いのある企業だと 5%から10%、新規の企業だと 0.1%から1% 担当者のスキル別だと、初心者 0.1%から0.5%、上級者 2%から10% |
商談率 | 2%から5% |
受注率 | 20%から30% |
このように、売上目標を最上位に置き、具体的な行動がどのようにゴール達成に寄与するかを階層的に整理することで、施策の進捗を可視化しやすくなります。
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4.定期的な見直し
KPIに基づいて、分析レポートを定期的に作って、営業や経営層に共有すれば、マーケティング活動について理解が深まります。売上をあげるためのボトルネックがわかり、施策の優先順位や予算投下すべき施策が明確になり、営業活動よりもマーケティング活動が優先されることもでてきます。
具体的なレポーティング内容としては、以下のような指標を含めましょう。
レポート例 | 説明 |
ベンチマークレポート | セッション、ユーザー数、滞在時間、平均ページ数、直帰率など 全体とチャネル別・新規ユーザーなどのセグメントも。 |
コンテンツパフォーマンス | リード獲得に貢献したブログ記事やホワイトペーパーのランキングや、商談化したリードが閲覧しているコンテンツランキングなど。 |
営業とマーケティングの連携状況 | MQL数、架電数、通電数、メール送信数、アポイント数、商談化数など。 |
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営業とマーケがKPIツリーを共有するメリット
営業とマーケティングがKPIツリーを共有することには、多くのメリットがあります。部門間の連携が強化されることで、業務効率や成果の最大化につながります。以下に主なメリットを解説します。
目標の一体化: 営業とマーケが同じKGIに向かって動ける。
施策の最適化: 部署間の連携で無駄な施策を削減。
成果の見える化: 各部門の活動が最終目標にどう貢献しているかを明確化。
KPIツリーを共有することは、チーム全体の成果を最大化するための強力な手段となります。が、実は、KPIツリーってあまり活用されていない現場を多く見かけます。
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用語まとめ|KGI・KSF・KPI
KGI(Key Goal Indicator: 最終目標)
ビジネス全体の成功を示す指標。「売上1000万円」「商談数50件」などが該当します。
KSF(Key Success Factor: 成功要因)
KGIを達成するための要因。「顧客との接触」「ナーチャリングメールの送信」などが具体例です。
KPI(Key Performance Indicator: 業績評価指標)
KSFを測定可能な形にした指標。「リード獲得数500件」「商談率30%」などが該当します。
営業部門と連携するための用語集も参考にしてみてください。
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