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KPIを設定したが機能しない原因とは?失敗パターンと対策

KPIがない・KPIツリーが機能しない原因とは?失敗パターンと対策 

 

企業や組織が目標に向かって進む際、KPIは具体的な指標として役立ちます。
が、KPIが十分に機能していない現場を多く見かけます。
この記事では、KPIが機能しない原因と、具体的な改善策を詳しく解説します。

KPIが機能しない原因の徹底分析

KPIが望んだ通りに機能しない背景には、さまざまな要因が存在します。
これまでの経験から、どのようなケースがあるか、整理してみました。

KPI設定が不十分なケース

KPIの設定が曖昧だと、組織全体での目標達成に大きなズレが生じます。
以下は、特に問題となりがちな例です。

数値目標が曖昧

KPI設定の不備は、数値目標の不明確さから生じることが多いです。

  • KPIの設定が抽象的で、具体的な数値目標が定まっていない
  • KGI(Key Goal Indicator)との関係性が明確にされていない
  • 組織全体で目標が十分に共有されていない

 これらの問題により、各部署が異なる方向に動いてしまい、全体としての目標達成が困難になります。

指標選定の失敗例

また、指標そのものの選び方にも問題がある場合があります。

  • 「リード数」や「クリック率」など、単体ではビジネス成果と直結しない指標を選定してしまう
  • 顧客の意思決定プロセスに影響を与えない数値を追求してしまう
  • 商談数や売上など、企業の成長に直結する重要な指標が考慮されていない

このような指標の選定ミスは、施策全体の方向性を誤らせ、結果的にKPIが機能しない原因となります。

KPIツリーの運用ミス

KPIツリーは、組織全体の目標を階層的に整理するためのツールです。しかし、運用の仕方によっては逆に混乱を招く場合もあります。

複雑な階層構造の罠

KPIツリーが複雑になりすぎると、管理が行き届かなくなります。具体的には、次のような問題が発生します

  • KPIツリーを作成したものの、運用が難しいほど複雑化してしまう
  • 各KPI間の関連性が不明確になり、どの指標がどの目標に貢献しているかが分かりにくい

このため、シンプルで理解しやすい構造に見直すことが求められます。

現場との連携不足

また、ツリー上で定めたKPIが現場の実態と乖離していると、実際の施策に落とし込む際に問題が発生します。具体的には、以下の点が課題となります。

  • マネジメント層が設定したKPIが現場の実情に合致していない
  • 運用上の問題点が放置され、実行段階で形骸化してしまう

現場と経営層の間でのコミュニケーションが不足すると、KPIの意味や重要性が伝わらず、全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。

組織内コミュニケーションの課題

KPIを効果的に機能させるためには、組織内での情報共有と連携が不可欠です。しかし、これが不十分な場合、以下のような問題が生じます。

目標の共有不足

全体としての目標が十分に共有されていないと、各チームが独自の指標に頼ることになりがちです。例えば

  • 各チームが独自の指標を持ち、KPIの統一性が失われる
  • KPIの重要性や設定の根拠が十分に伝わらず、意識の統一ができない

このような状態では、組織全体での目標達成が難しくなります。

評価システムとの乖離

さらに、KPIと評価システムとの連動がうまくいっていない場合、従業員のモチベーションが低下する恐れがあります。

  • KPIが評価制度と連動しておらず、個々の努力が正当に評価されない
  • 数値目標が達成されても、企業の成長に直結していないと感じられる

このため、評価システムとの整合性を確保することが重要です。

現場から見た、KPIが設定されていない理由

私の経験上ですが、KPI設定ができていない背景には、営業とマーケの両部門にあると考えています。

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営業部門は直近の商談が最も重要

営業部門は、常に売上を意識しています。リードを獲得するまでに時間のかかるマーケティング部門と連携することを面倒に感じる方も少なくありません。

短期的な成果を求めるプレッシャー

営業部門は、毎週・毎月の数字を常に追っているため、日々、商談を成立させることを第一優先としています。マーケティングに理解があったとしても、育成が必要な顧客ではなく、「今すぐ商談につながるリード」「すぐ受注できそうな案件」を注力せざるを得ない状況かと思われます。

データではなく”人”に向き合っている

営業活動は顧客との信頼関係構築が肝心です。
マーケティングが獲得したリードは、「顔の見えない見込み顧客」に思えてしまい、手触り感を持ちにくく、対応する優先順位が下がってしまいます。
また、デジタルマーケティング特有の「指標」や「ツール」の存在に対して敷居が高いと感じる場合があります。

マーケティングの専門用語に苦手意識

多くの営業マンは、MQL(Marketing Qualified Lead)やSQL(Sales Qualified Lead)などの用語に苦手意識を持ちます。専門用語を多用してしまうと、「とりあえず商談につながるリードを取ってきて」という姿勢になり、連携が進みません。

関連記事:営業とスムーズに会話するために|押さえておきたいデジマ用語集

マーケティング部門はオペレーションがメインになっている

マーケティング部門においては、これまでWEBサイトの更新管理や、展示会の対応など、オペレーションがメインのため、KPIツリーのイメージがわきづらい体制になっていることもが多いです。

デジタルマーケティングに精通した責任者が少ない

責任者の年齢層で、デジタルマーケティングに精通している人材が少なく、経験の浅い方や近しい部門の管理職経験者がアサインされることも多いと感じます。

そうなると、「1億円の売上を達成する」「年間100件の受注を取る」などのKGIは設定しやすいものの、KPIツリーにまで落とし込むことができません。

KGI達成までのプロセスと、プロセスごとの数字「必要なリード数」「問い合わせ数」「商談化率」など、を理解できておらず、KPI設定に至りません。

私の現場もこのような状況でしたので、『最高のKPIマネジメント』を参考に、KPIを作ってみました。で、KPIを設定してみているので、こちらもご参照ください。

改善のための具体的対策と実行プラン

ここからは、上記の問題点を踏まえ、具体的な改善策について説明します。改善策は、現状の問題点を一つずつ解消していくための実行プランに基づいています。

KPI設定の再検討

まずは、KPIそのものの設定方法を見直すことが必要です。明確で達成可能な目標を設定するために、SMART目標の導入が有効です。

SMART目標の導入

SMART目標を活用することで、具体的かつ実行可能な数値目標を設定できます。以下のポイントを意識してください。

  • Specific(具体的): 例えば、「マーケティング経由の商談数を月50件にする」など、具体的な数値を設定します。
  • Measurable(測定可能): 進捗が数値で明確に把握できる指標を選びます。
  • Achievable(達成可能): 現実的な目標範囲内で設定し、無理のない計画を立てます。
  • Relevant(関連性): 組織全体のKGIとリンクさせることで、全体の戦略と一致させます。
  • Time-bound(期限を設ける): 達成期限を明確にし、計画的な進行を促します。

SMART目標を取り入れることで、KPIの達成に向けた明確な道筋が示されます。

適切な指標選定のポイント

次に、選ぶべき指標の見直しです。単なる数値にとどまらず、組織全体の戦略に合致した指標を設定することが重要です。

  • 商談数や売上など、直接的にビジネス成果に結びつく指標を重視します。
  • 組織ごとの役割や状況に応じたKPIを選定します。
  • 過去のデータを参考に、現実的な目標値を設定することが求められます。

これにより、各部門が一丸となって目標に向かう体制が整います。

KPIツリーのシンプル化と再構築

次に、KPIツリーの見直しについてです。運用しやすく、全体の戦略と連動したツリーに再構築するためのポイントを説明します。

階層構造の見直し

KPIツリーはシンプルで直感的な構造であることが望ましいです。以下のポイントを考慮してください。

  • 主要なKPIを3~5個に絞ることで、管理のしやすさを確保します。
  • 各KPIがどのように連携し、最終的な目標に貢献するのかを明確にします。

シンプルな階層構造にすることで、組織全体での理解が深まり、実行に移しやすくなります。

組織横断の連携強化

また、部門間での連携を強化することも重要です。
特に、営業とマーケティングの連携がうまくいっていない場合、以下の点が問題となります。

  • 各部門で別々の指標を追いかけるため、全体としての整合性が失われる
  • 定期的なミーティングや情報共有が不足している

これらを解消するために、組織全体でのコミュニケーションを促進し、KPIの進捗状況を共有する仕組みを導入しましょう。

関連記事:

PDCAサイクルを回す

KPIの設定やツリーの見直しだけでなく、実際の施策を確実に実行するためには、PDCAサイクルをしっかりと回すことが不可欠です。
ここでは、計画から実行、評価、改善までの具体的な方法について解説します。

PDCAサイクルの徹底

PDCAサイクルを徹底することで、計画に対する実行とその後の評価、そして改善策の策定がスムーズに進みます。
具体的なポイントは以下の通りです。

  • Plan(計画): KPIの目標値を決定し、具体的な施策計画を立案する
  • Do(実行): 計画に沿って施策を実施し、現場での取り組みを確認する
  • Check(評価): 定期的にKPIの達成状況をモニタリングし、結果を検証する
  • Act(改善): 評価結果を基に、次の施策に反映させるための改善策を講じる

このサイクルを回すことで、KPIの達成状況を継続的に改善していくことができます。

部署間の情報共有促進

また、各部署間での情報共有は、戦略全体の整合性を保つ上で非常に重要です。
具体的な取り組みとしては以下が考えられます。

  • KPIダッシュボードを活用し、リアルタイムで各指標の進捗を確認できる仕組みを導入する
  • 定期的なミーティングやレポートで、各部門がKPIの達成状況を共有し、情報の透明性を確保する

これにより、全体としての戦略実行がスムーズに進む環境が整います。

即KPIを設定しよう

KPIが機能しない原因は、目標設定の甘さ、組織内の連携不足、そして指標選定の誤りなど、多岐にわたります。
マーケティング施策を効果的に進めるため、まずは自社のKPIの現状を見直し、実行可能なフレームワークを構築しましょう。

KPIの設定については、下記にまとめてありますので、ご確認ください。
BtoBマーケのKPI設定・KPIツリー総合ガイド

この記事を書いた人[ABOUT

WEBマスターやデジタルマーケティング業務で20年以上の経験。
インバウンドマーケティングの仕組み構築と運用・グロースの責任者として、中小企業を中心に業務効率化をしてきました。
現在は、大手広告代理店グループで同様の任務を担っています。