ビジネスの成功には、目標達成に不可欠な要素を明確にすることが重要です。 ここで重要になるのが「KSF(Key Success Factor)」です。 この記事でわかること...
低予算でも成果を出すBtoBマーケティング|広告に頼らず仕組みをつくるまでの話
私が最初にBtoBマーケティングを任されたとき、使える予算は必要最低限のツール費用だけ。
それ以外は、必要になったら都度申請して承認が下りればOK、という状態でした。
最初に思い浮かぶのはリスティング広告やSNS広告でしたが、それらは止めたら終わりの施策。
一人でまわしていくからこそ、継続できる仕組みを作ることが重要だと考えました。
今回は、そんな限られた状況の中でも実施できて、実際に効果につながったマーケティング施策をまとめてみたいと思います。
広告に頼らず成果を出すために取り組んだこと
フロー型ではなく「ストック型」に振り切る判断
広告費が限られているなかで、まず判断が必要だったのは「何に予算を使うか」でした。
検討したのは、運用型広告(リスティングやSNS広告など)ですが、実施には継続的な費用がかかり、止めた途端にリードも止まってしまいます。
そのため、私は「一時的な効果」ではなく「積み上がる施策」に絞るストック型の施策としました。中でもBtoBとの相性が良く、情報を蓄積できるSEOとホワイトペーパーを軸に据えることに。
SEO施策に本腰を入れる
SEOを強化することに決めたものの、リソースも知見も限られていたため、まずはSEOツールを導入しました。幸い、ツール導入費用は社内で承認が下りたため、そのサポートも活用しながら、SEOコンサルも併用することができました。
SEOコンサルでライターさんの紹介と、指示書作成のレクチャーを受ける
自社にとって価値のあるKWを洗い出したり、現状把握をしたり、競合調査をすることなど、ツールの利用を前提に基本的なノウハウを習得。さらには、ライターさんへの指示書もレクチャーいただいた上に、ライターさんも紹介いただきました。
1か月後には、 月に1〜2本のペースで継続的に記事を公開できる体制へ。3か月後には、既存記事のリライトも実施できていました。
ホワイトペーパーでコンバージョン設計
SEO対策は中期的な集客施策のため、リード獲得にはつながりません。そこで、コンバージョンポイントとしてホワイトペーパーを用意。記事のテーマと連動するような資料を自作し、記事末にダウンロード導線を設置しました。
短期的な目線でのリード獲得としては、成果報酬型の資料ダウンロードサイトにも掲載することで対応。
「中期的にSEOで集客しつつ、短期的には外部経由でもリードを獲得する」仕組みができました。
問い合わせが来ない…その壁を営業との連携で突破
ダウンロード後には、コンテンツの更新情報などをメールで案内していましたが、なかなか問い合わせにはつながらない状況が続きました。
そこで改めて、「インサイドセールス」の仕組みが必要だと判断。
営業部門と連携して、ダウンロード直後のフォロー架電を行う体制を提案しました。
最初はうまくいかず、なかなか理解を得られない時期もありましたが、粘り強く説明を続け、中途で入社された営業メンバーの後押しもあり、少しずつ成果が出るようになりました。
最終的にはアポイント率が向上し、マーケ部門が“売上に貢献している”という認識を社内に根付かせることができたのは、大きな転機でした。
まとめ|低予算でも、できることは意外とある
限られた予算の中でも、マーケティング施策は十分に実行できます。
むしろ、制約があるからこそ「何に取り組むべきか」が明確になりやすいと感じています。
今回ご紹介した施策は、特別なスキルや潤沢な予算がなくても始められるものばかりです。
一つひとつは地味な作業の積み重ねですが、着実に「効果の出る仕組み」に育っていきます。
「今あるリソースで、何ができるだろう?」
そう考え始めた方にとって、この記事がヒントになればうれしいです。
一人マーケターが最初に取り組むべきことをまとめた「BtoBマーケティングスターターガイド」も公開中です。
この記事を書いた人[ABOUT]
WEBマスターやデジタルマーケティング業務で20年以上の経験。インバウンドマーケティングの仕組み構築と運用・グロースの責任者として、中小企業を中心に業務効率化をしてきました。
現在は、大手広告代理店グループで同様の任務を担っています。