企業や組織が目標に向かって進む際、KPIは具体的な指標として役立ちます。
が、KPIが十分に機能していない現場を多く見かけます。
この記事では、KPIが機能しない原因と、具体的な改善策を詳しく解説します。
KPIが望んだ通りに機能しない背景には、さまざまな要因が存在します。
これまでの経験から、どのようなケースがあるか、整理してみました。
KPIの設定が曖昧だと、組織全体での目標達成に大きなズレが生じます。
以下は、特に問題となりがちな例です。
KPI設定の不備は、数値目標の不明確さから生じることが多いです。
これらの問題により、各部署が異なる方向に動いてしまい、全体としての目標達成が困難になります。
また、指標そのものの選び方にも問題がある場合があります。
このような指標の選定ミスは、施策全体の方向性を誤らせ、結果的にKPIが機能しない原因となります。
KPIツリーは、組織全体の目標を階層的に整理するためのツールです。しかし、運用の仕方によっては逆に混乱を招く場合もあります。
KPIツリーが複雑になりすぎると、管理が行き届かなくなります。具体的には、次のような問題が発生します
このため、シンプルで理解しやすい構造に見直すことが求められます。
また、ツリー上で定めたKPIが現場の実態と乖離していると、実際の施策に落とし込む際に問題が発生します。具体的には、以下の点が課題となります。
現場と経営層の間でのコミュニケーションが不足すると、KPIの意味や重要性が伝わらず、全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。
KPIを効果的に機能させるためには、組織内での情報共有と連携が不可欠です。しかし、これが不十分な場合、以下のような問題が生じます。
全体としての目標が十分に共有されていないと、各チームが独自の指標に頼ることになりがちです。例えば
このような状態では、組織全体での目標達成が難しくなります。
さらに、KPIと評価システムとの連動がうまくいっていない場合、従業員のモチベーションが低下する恐れがあります。
このため、評価システムとの整合性を確保することが重要です。
私の経験上ですが、KPI設定ができていない背景には、営業とマーケの両部門にあると考えています。
営業部門は、常に売上を意識しています。リードを獲得するまでに時間のかかるマーケティング部門と連携することを面倒に感じる方も少なくありません。
営業部門は、毎週・毎月の数字を常に追っているため、日々、商談を成立させることを第一優先としています。マーケティングに理解があったとしても、育成が必要な顧客ではなく、「今すぐ商談につながるリード」「すぐ受注できそうな案件」を注力せざるを得ない状況かと思われます。
営業活動は顧客との信頼関係構築が肝心です。
マーケティングが獲得したリードは、「顔の見えない見込み顧客」に思えてしまい、手触り感を持ちにくく、対応する優先順位が下がってしまいます。
また、デジタルマーケティング特有の「指標」や「ツール」の存在に対して敷居が高いと感じる場合があります。
多くの営業マンは、MQL(Marketing Qualified Lead)やSQL(Sales Qualified Lead)などの用語に苦手意識を持ちます。専門用語を多用してしまうと、「とりあえず商談につながるリードを取ってきて」という姿勢になり、連携が進みません。
関連記事:営業とスムーズに会話するために|押さえておきたいデジマ用語集
マーケティング部門においては、これまでWEBサイトの更新管理や、展示会の対応など、オペレーションがメインのため、KPIツリーのイメージがわきづらい体制になっていることもが多いです。
責任者の年齢層で、デジタルマーケティングに精通している人材が少なく、経験の浅い方や近しい部門の管理職経験者がアサインされることも多いと感じます。
そうなると、「1億円の売上を達成する」「年間100件の受注を取る」などのKGIは設定しやすいものの、KPIツリーにまで落とし込むことができません。
KGI達成までのプロセスと、プロセスごとの数字「必要なリード数」「問い合わせ数」「商談化率」など、を理解できておらず、KPI設定に至りません。
私の現場もこのような状況でしたので、『最高のKPIマネジメント』を参考に、KPIを作ってみました。で、KPIを設定してみているので、こちらもご参照ください。
ここからは、上記の問題点を踏まえ、具体的な改善策について説明します。改善策は、現状の問題点を一つずつ解消していくための実行プランに基づいています。
まずは、KPIそのものの設定方法を見直すことが必要です。明確で達成可能な目標を設定するために、SMART目標の導入が有効です。
SMART目標を活用することで、具体的かつ実行可能な数値目標を設定できます。以下のポイントを意識してください。
SMART目標を取り入れることで、KPIの達成に向けた明確な道筋が示されます。
次に、選ぶべき指標の見直しです。単なる数値にとどまらず、組織全体の戦略に合致した指標を設定することが重要です。
これにより、各部門が一丸となって目標に向かう体制が整います。
次に、KPIツリーの見直しについてです。運用しやすく、全体の戦略と連動したツリーに再構築するためのポイントを説明します。
KPIツリーはシンプルで直感的な構造であることが望ましいです。以下のポイントを考慮してください。
シンプルな階層構造にすることで、組織全体での理解が深まり、実行に移しやすくなります。
また、部門間での連携を強化することも重要です。
特に、営業とマーケティングの連携がうまくいっていない場合、以下の点が問題となります。
これらを解消するために、組織全体でのコミュニケーションを促進し、KPIの進捗状況を共有する仕組みを導入しましょう。
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KPIの設定やツリーの見直しだけでなく、実際の施策を確実に実行するためには、PDCAサイクルをしっかりと回すことが不可欠です。
ここでは、計画から実行、評価、改善までの具体的な方法について解説します。
PDCAサイクルを徹底することで、計画に対する実行とその後の評価、そして改善策の策定がスムーズに進みます。
具体的なポイントは以下の通りです。
このサイクルを回すことで、KPIの達成状況を継続的に改善していくことができます。
また、各部署間での情報共有は、戦略全体の整合性を保つ上で非常に重要です。
具体的な取り組みとしては以下が考えられます。
これにより、全体としての戦略実行がスムーズに進む環境が整います。
KPIが機能しない原因は、目標設定の甘さ、組織内の連携不足、そして指標選定の誤りなど、多岐にわたります。
マーケティング施策を効果的に進めるため、まずは自社のKPIの現状を見直し、実行可能なフレームワークを構築しましょう。
KPIの設定については、下記にまとめてありますので、ご確認ください。
BtoBマーケのKPI設定・KPIツリー総合ガイド