BtoBマーケティングの基礎とは?全体像と重要なポイントを解説
BtoBマーケティングの基礎知識
BtoBマーケティングとは、Business to Businessの略で、企業対企業の取引のことを指します。
BtoBとBtoCマーケティングの違い
BtoBとBtoCでは、意思決定者の数や購買プロセスが大きく異なります。
意思決定者の数
BtoCでは通常1人が購入を決定しますが、BtoBでは現場担当者、管理者、経営層など複数の意思決定者が関与します。それぞれ異なる課題や関心を持つため、各層に応じた情報提供が必要です。
検討期間
BtoCは短期間で購入が完了することが多いですが、BtoBは長期的な検討が必要です。場合によっては数年以上かかることもあります。
取引の目的とスケール
BtoCでは多様な目的で購入されますが、BtoBでは課題解決が主な目的です。そのため、自社製品やサービスがどのように課題を解決し利益をもたらすのかを明確に伝える必要があります。
BtoBマーケティングのプロセス
BtoBマーケティングは一般的に以下の5つのステップから構成されます。
- リードジェネレーション(顧客創出):見込み顧客を獲得するための活動。主にSEOやWeb広告、展示会などを利用します。
- リードナーチャリング(顧客育成): 獲得したリードに対して情報提供やコミュニケーションを行い、関係性を深めます。
- リードクオリフィケーション(顧客選別): 購買意欲やニーズに基づいて見込み顧客を評価し、優先度をつけます。
- 商談・受注: 実際に商談を行い、契約へと結びつけるプロセスです。
- 顧客維持: 受注後も顧客との関係を維持し、継続的な取引につなげることが重要です。
変化した購買プロセス
近年、デジタル化やコロナ禍の影響などで、顧客の購買プロセスは大きく変化しました。
調査によると、顧客の購買プロセスの57%は営業担当者に会う前に完了しているとされています。
SOURCE:The Digital Evolution In B2B Marketing
この変化に伴い、以下のようなインバウンドマーケティング手法が重要になっています。
- オウンドメディア(ブログやウェブサイト)
- ホワイトペーパーやeBook
- SNS
- メールマガジン
- ウェビナーやセミナー
従来のアウトバウンドマーケティング(テレビCMやテレマーケティング)からインバウンドマーケティングへの移行が進んでいます。
マーケティングファネルとフライホイールという概念
画像は HubSpotブログより引用
マーケティングファネルとは、「認知」から「購入」までの顧客数を漏斗状に表したものです。
- 認知:顧客が課題や製品について知る段階。
- 検討:製品やサービスを比較検討する段階。
- 意思決定:購入を最終的に決定する段階。
また、次の3種類のファネルがあります。
- パーチェスファネル:新規顧客獲得に焦点。
- インフルエンスファネル:既存顧客との関係強化。
- ダブルファネル:新規顧客と既存顧客双方を組み合わせたもの。
さらに、図の右の丸い形で表される、「フライホイール」という概念も注目されています。これは、購入後もアップセル・クロスセルを通じて顧客ロイヤルティを高める手法です。
BtoBマーケティングで重要な4つの基本概念
ターゲティングとペルソナ設計
効果的なマーケティングには、誰に届けるかが重要です。
具体的なペルソナを設定することで、施策の方向性が明確になります。
- 業界、企業規模、課題を明確にする
- 担当者の役職や関心ごとを把握する
関連記事:ペルソナの作り方|戦略に活かせる具体的手順と失敗しないコツ
カスタマージャーニーの理解
顧客が製品やサービスを知り、購入に至るまでのプロセスをカスタマージャーニーと呼びます。各段階で適切な情報提供を行うことが重要です。
認知 → 興味・関心 → 比較・検討 → 購入において、それぞれのフェーズに応じたコンテンツを洗い出します。
リードジェネレーションとリードナーチャリング
BtoBマーケティングでは、見込み顧客をどのように獲得し、関係を深めていくかが重要なポイントで、獲得と育成という概念で管理します。
リードジェネレーション
潜在顧客の情報を獲得するための活動のことです。具体的には、ホワイトペーパーのダウンロードや資料請求、お問い合わせなどを通じて見込み客の連絡先を集めることを指します。
リードナーチャリング
獲得したリード(見込み客)に対して、メールマガジンやコンテンツ配信などを通じて、継続的にコミュニケーションを取り、商談や成約につなげていく育成プロセスのことです。
リードクオリフィケーション
マーケティング部門が獲得したリードに対し、営業がどのリードにアタックするか?を選別することを、リードクオリフィケーションといいます。
KPI設計
マーケティング施策の効果を測定するためには、明確なKPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。KPIを適切に設計することで、施策の成果を定量的に評価し、改善点を特定することができます。
- KPIの設定例:リード獲得数、商談化率、コンバージョン率、LTV(顧客生涯価値)など
- SMARTの原則:Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)
関連記事:BtoBマーケのKPI設計・KPIツリー総合ガイド
新規顧客と既存顧客へのアプローチとコスト
新規顧客
新規顧客獲得には既存顧客よりも5倍のコストがかかると言われています。
そのため、新規リードへの継続的なフォローアップとコミュニケーションが重要です。
調査によれば、フォローを辞めたリードの80%は2年以内に競合他社から製品・サービスを購入しています。
既存顧客
既存顧客との関係維持はコスト効率が高く、アップセルやクロスセルによる収益拡大につながります。これには以下の施策が有効です。
- 定期的なコミュニケーション
- パーソナライズされた提案
- 顧客満足度向上への取り組み
マーケティング戦略フレームワーク
市場を整理する
STP分析
STP分析は、マーケティング戦略を立案する際に重要なフレームワークです。
市場を細分化し、適切なターゲットを選び、競合との差別化ポイントを明確にすることで、効果的な施策の土台を築くことができます。
- Segmentation(市場の細分化):市場を特定の条件で分け、顧客層の特徴やニーズを明確にします。
- Targeting(ターゲットの選定):細分化した市場の中から、自社が注力すべきターゲット層を決定します。
- Positioning(ポジショニング):選定したターゲットに対して、自社製品やサービスの価値を明確にし、競合との差別化ポイントを打ち出します。
自社の現状を整理する
3C分析で市場での立ち位置を把握する
顧客のニーズを理解し、競合の強み・弱みを把握し、自社の立ち位置を明確にすることができます。
特にBtoBでは、複数の意思決定者が関与するため、それぞれのニーズに応じた情報提供が求められます。
- 顧客(Customer)
- 競合(Competitor)
- 自社(Company)
SWOT分析で自社の現状を整理する
自社の内部環境と外部環境を整理し、戦略的な意思決定を支援します。
特にBtoBでは、競争が激しいため、自社の強みを活かしつつ、外部環境に適応することが重要です。
- 自社の強み(Strengths)
- 弱み(Weaknesses)
- 機会(Opportunities)
- 脅威(Threats)
施策を具体化する
マーケティング戦略を具体的な施策へと落とし込むためには、4Pと4Cのフレームワークが役立ちます。
- 4P(Product, Price, Place, Promotion):製品、価格、流通、プロモーションの視点で施策を立案
- 4C(Customer Value, Cost, Convenience, Communication):顧客視点で価値提供を考える
4Pと4Cの違いは、視点の違いにあります。
4Pは企業側の視点で施策を考えるのに対し、4Cは顧客視点で施策を考えるフレームワークです
素早く戦略を可視化できるフレームワーク
リーンキャンパス
リーンキャンパスは、短時間で作成が可能なので、新規事業をスタートする場合やスタートアップにとても便利です。
BtoBマーケティング施策の具体例と成功のポイント
リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
見込み顧客を獲得するためには、ターゲット層の関心を引くコンテンツと適切なチャネルが重要です。
- コンテンツマーケティング:ブログ記事やホワイトペーパーで専門知識を共有し、信頼性を高めます。
- SEO対策の実施:検索エンジン経由でターゲット層にリーチし、自然流入を増やすことができます。
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
獲得したリードは、適切なコミュニケーションを通じて関係を深め、購買意欲を高める必要があります。
- メールマーケティング:パーソナライズされたメールで顧客の関心度を高め、定期的なニュースレターで関係を維持します。
- ウェビナーやホワイトペーパーの提供:業界トレンドや課題解決のノウハウを発信し、リードの理解を深めます。
営業連携(マーケティングと営業の協力)
マーケティング施策だけでは商談に直結しにくいため、営業との連携が不可欠です。
- 参加者データの共有:ウェビナーやイベントの参加者データを営業チームと共有し、効率的なフォローアップを実施します。
- スコアリングとリード管理:マーケティング施策で得たリードにスコアを付け、営業が優先的にアプローチすべきリードを明確にします。
このように、リードの獲得から育成、営業連携まで一貫した施策を実施することで、BtoBマーケティングの成果を最大化できます。
まとめ
BtoBマーケティングは、顧客となるのは企業であり、購買プロセスには複数の意思決定者が関与し、長期間にわたることが特徴です。このため、顧客のニーズに応じた情報提供や信頼関係構築が重要です。
また、デジタル化により購買プロセスは大きく変化しており、WebサイトやSNSなどのオンラインチャネルでの情報収集が増えています。したがって、これらの変化に対応した戦略的アプローチが求められています。
この記事を書いた人[ABOUT]
WEBマスターやデジタルマーケティング業務で20年以上の経験。インバウンドマーケティングの仕組み構築と運用・グロースの責任者として、中小企業を中心に業務効率化をしてきました。
現在は、大手広告代理店グループで同様の任務を担っています。