マーケティング部門が獲得したリードを営業部門へバトンタッチしても、優先順位が低いまま。そもそもリード数だけを追求しているマーケティング部門を見かけますが、売上に繋がるKPIツリーを設計しましょう。
こんな時にお勧めです
インハウスのマーケティング部門でも、クライアントワークでも、KPIは何ですか?と聞いたとき、「獲得リード数です。売上までは見ていません。」ということをよく聞きます。
そのような部署においては、マーケティング予算が少なかったり、万年人材不足であったり、業務に追われ、単純作業が続く日々になっていることが多いです。
この状況を打破するために、営業との共通KPIを持ち、よりクリエイティブな時間を確保できるようにしましょう。
営業部門とKPIを共有するには、認識合わせをしておかなければならないことが多くあります。デジタルマーケティングやインバウンドマーケティングを理解してもらうためには、まず教育が必要です。また、MAツールやCRM/SFAツールなどの利活用が前提になっていることも多いため、定期的なトレーニングやワークショップなどで、マーケティング手法をサポートすることも視野にいれておきたいです。
営業で認識している”リード”数は、商談した企業数としていて、マーケティング部門では、リード・MQL・SQlなどと厳密に区別していたりする場合は、話がずれてきてしまいます。また、営業からすると、リードのステージには興味がなかったり、なかなか理解が進まないことも多いと思います。
KPI設計の際に共有して理解を得つつ、分析レポートで視覚化して、用語の理解を求めましょう。
KPIに基づいて、分析レポートを定期的に作って、営業や経営層に共有すれば、マーケティング活動について理解が深まります。売上をあげるためのボトルネックがわかり、施策の優先順位や予算投下すべき施策が明確になり、営業活動よりもマーケティング活動が優先されることもでてきます。
具体的なレポーティング内容としては、以下のような指標を含めましょう。
レポート例 | 説明 |
ベンチマークレポート | セッション、ユーザー数、滞在時間、平均ページ数、直帰率など 全体とチャネル別・新規ユーザーなどのセグメントも。 |
コンテンツパフォーマンス | リード獲得に貢献したブログ記事やホワイトペーパーのランキングや、商談化したリードが閲覧しているコンテンツランキングなど。 |
営業とマーケティングの連携状況 | MQL数、架電数、通電数、メール送信数、アポイント数、商談化数など。 |
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KPIツリーだけでは、理屈はわかった、ということで、自分事化されないようです。
資料ダウンロード数をあげるための施策として何が考えられるか、まずは概要でもいいので、挙げだしておくことが重要です。
KPIツリーをもとに、営業部門とマーケ部門の役割が明確になる。
私の現場では、売上が全くたたなかったため、リードほしさに営業部門がセミナーの検討を始め、マーケ側がオペレーションに徹するような体制になりかけました。思い付きの施策に振り回されると、デジタルマーケティングはドライブしません。KPIツリーで役割分担を明確にし、その上で協力関係を築きましょう。
カタカナ、アルファベット3文字が多いマーケティング用語は、しばしば他部門から嫌がられています。
なるべく、専門用語を利用せず、わかりやすい言葉でコミュニケーションを取るようにしましょう。
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営業部門と話し合いながらKPIを設定することで、「質の高いリード」や「受注確度の高い商談件数」といった具体的な指標を共有できます。これにより、両部門が同じゴールを目指して動く体制が整います。
マーケティングで育成したリードが営業にとっても有益であれば、商談の進行がスムーズになります。結果として、営業の稼働効率が向上し、受注率の改善が期待できます。
営業部門から得られるフィードバックをもとに、マーケティング施策やKPIを改善できます。たとえば、「問い合わせフォームのコンバージョン率を高めたい」という目標を、営業の声を取り入れて「商談獲得に直結する資料ダウンロード数」に変更するなどの調整が可能です。
例えば、営業からは、売上目標がでてきました。平均案件単価や案件数は決められていない状態。
マーケからは、WEBサイトのアクセス数と、CVR、CV数、メルマガ会員数、問い合わせ数を把握しています。
これをもとに、WEBサイトのアクセス数から受注に至るまでのプロセスで数値化できるもの、数値の増減に関与できるものを洗い出し、ツリーにしていく感じです。
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KPIは、営業部門と連携することで、マーケティング部門の施策が営業活動に与える影響が明確になるため、商談成功率を上げるための協力体制が強化されます。さらに、売上への貢献度が可視化されることで、企業全体における存在感と信頼性を高めることができます。